モルちゃんをお空に見送ったAちゃんへのお手紙

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peach_house01ピーチが天国に旅立ってしまってから早くも3週間が経とうとしています。ブログを読んでくださった方々から、たくさんの励ましとお悔みを頂戴し、深く感謝いたしております。本当にありがとうございます。虹の橋のたもとにいるピーチも、皆様のご厚情に感謝していることと思います。

そんな中、知人から、友人のお孫さんが愛モルちゃんをお空に見送られ、毎日泣いていて、お祖母さんはじめ家族がとても心配しているのだが、どうすればよいか、と相談を受けました。

いろいろと考えたのですが、ここ数週間で学んだこと(ピーチに教えてもらったことも含め)を振り返りながら、そのお孫さんにお手紙を書いてみることにしました。もし読んでくださったどなたかのお役に立てれば、これ以上の喜びはありません。

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Aちゃん、

はじめまして。
Aちゃんのおばあちゃんのお友達から、Aちゃんのことを聞きました。ずっと可愛がってきたモルモットちゃんが突然虹の橋を渡ってしまったこと、本当に残念に思います。Aちゃんが毎日泣いているので、Aちゃんがかわいそうで仕方がない、と、おばあちゃんもとても心配していらっしゃるそうね。

わたしも先月、今年の始めから一緒に暮らしてきたモルモットの「ピーチ」を、虹の橋の向こうに見送りました。だから、いまのAちゃんの悲しい気持ち、とてもよくわかるよ。

ピーチがわたしたちのおうちに来てくれたときには、人間の年にするともうおばあちゃんだったから、あまり長く一緒に暮らすことはできないだろうな、と思っていたけど、こんなに早くお別れの日がやってくるとは思わなかったから、本当に悲しかった。

わたしはAちゃんの何倍も年を取っているし、学校も卒業してお仕事もしているけど、やっぱりAちゃんのように毎日泣きました。わたしより年上で、わたしよりもっと長く仕事をしている「モルモットハウスくにたち」の代表も、毎日泣いていました。正直に言うとね、いまでも涙が出てしまうときがあります。ピーチがお気に入りだったお水のボトルやフリースのお布団が目に入るだけでも、ピーチのかわいい姿を思い出してしまう。

Aちゃんも知っているとおり、モルモットはもともと草を食べて生きる動物なので、自然界では自分より大きな、肉を食べる動物さんたちのごはんになってしまうこともあります。そして、自然界で最初に食べられてしまうのは、体が弱っていたり動きが悪かったりするモルモットです。

だから、モルモットやうさぎは、体の調子が悪くても、気分がよくなくても、一生懸命それを隠そうとします。本当は、「おなかが痛いよー」「息をするのがつらいよー」と思っていても、一生懸命ごはんも食べて元気に遊びます (食べるふり、遊ぶふりをすることもあります)。

そしてその「ふり」は、Aちゃんの飼っていたモルモットちゃんが、AちゃんやAちゃんのお父さんお母さんをどんなに大好きでも、変えることができません。だから、気が付いたときには、どんなお薬をあげても注射をしても手術をしても、間に合わなかったりすることもあります。

とても悲しいけれど、これはモルモットたちが何年も何年も命をつないできた方法だから、私たち人間には、どうしてあげることもできません。飼い主にできることは、病気のサインがないか、毎日毎日きちんと確認することだけ。

そうやって気を付けていても、どうしても病気が急に悪くなってしまうこともあるし、どんな生き物でも(そう、人間でも)、ずっと永遠に生きることはできません。お別れのときは、必ずやってきてしまう。頭で分かってはいても、本当に悲しいよね。

人間は、条件さえよければ、ほとんどの動物よりも長く生きます。もちろん、赤ちゃんのときに亡くなる人もいれば、すごく長生きする種類の動物もいるけど、「ヒト」という種類として見れば、ワンちゃんよりもネコちゃんよりも、そしてモルモットたちよりも、ずっと長生きです。

だから、動物家族といっしょに生きていく、ということは、動物家族たちのお見送りをいつかはしなくてはならない、ということでもあります。お別れが本当に悲しくて辛くて、もう二度と動物と一緒には暮らしたくない、と考える人もいます。Aちゃんもそう思ったことがあるかな。もしかしたら、今もそう思っているかもね。

Aちゃんにとって、6年半、という時間は、とても短く感じられるかもしれません。今は80歳・90歳になるまで生きる人も少なくないから、余計にそう思えるのかもしれないね。

でも、ちょっと目を閉じて、思い出してみて。

Aちゃんのモルちゃんに初めて会ったときのこと。初めてナデナデできたときのこと。初めてお野菜をAちゃんの手から食べてくれたときのこと、初めて抱っこさせてもらったときのこと。

AちゃんのモルちゃんはAちゃんのご家族とずっと一緒に暮らしてきたから、クリスマスやお正月を一緒にお祝いしたこともあったかな。お誕生日もいっしょにお祝いしたかもしれないね。

私のおうちのピーチは、去年の1月にやって来てくれて、9月の末にお空に帰ってしまったから、クリスマスやお正月を一緒に過ごすことはできなかったけど、それでも楽しい思い出はたくさん残っています。それはAちゃんもきっと同じだよね。

学校から帰ってきていっしょに遊んだことや、お水やペレットを替えてあげたこと、ブラッシングしてあげたとき、爪切りをしてあげたとき。干し草を持って行ってあげて、嬉しそうに食べてくれたとき。じっと見つめ合ったとき。抱っこしてあげてナデナデしてあげたとき。

Aちゃんにとってはたった1日や1時間のことだったかもしれない、そんな時間。でも、Aちゃんのモルちゃんには、AちゃんやAちゃんの家族と過ごした1日・1時間のすべてが積み重なった6年半という時間が、モル生のすべてだったんだよ。

Aちゃんのモルちゃんは、Aちゃんのおうちにやってきてから虹の橋を渡るまで、ずっとAちゃんの家族にとっても愛されて生きてきたよね。夜、モルちゃんの具合が突然悪くなったときも、お父さんが遅くまで開いている獣医さんをインターネットで調べて、車で連れて行ってくれた。お母さんは、うんちが出なくなってしまったモルちゃんのお腹を一生懸命マッサージしてくれた。モルちゃんが息を引き取ったときは、おばあちゃんもお父さんもお母さんも、みんなでモルちゃんを抱っこして泣いたよね。

Aちゃん。この世界には、責任感のない人がたくさんいます。「鳴き声がうるさい」「こんなに世話が大変だと思わなかった」「犬を飼ったからもういらない」という理由で、小さな小さなモルモットをお外に捨てる人がいます。うちにいる「ココ」は、そういう人に捨てられて、命を落としかけていたところを親切な人たちに助けられて、うちにやってきてくれました。

大人でもそんな無責任なことをする人がたくさんいるのに、Aちゃんは一生懸命モルちゃんのことを考えて、モルちゃんのために頑張ったよね。モルちゃんの具合が悪くなったとき、お友達と遊ぶのもやめて、大好きなゲームもしないでお世話をしたんだよ、とおばあちゃんが言っていたそうです。

Aちゃんのモルちゃんは、たった6年半しかこの世界にいることはできなかったかもしれない。そして、その時間はAちゃんには、とてもとても短く感じられるかもしれません。もっともっと、長く一緒にいたかったよね。私も、できるなら、ピーチともっと一緒にいたかったよ。

でも、Aちゃんのモルちゃんは6年半の時間を、家族のみんなに心から愛されて、大切にされて生きることができた。AちゃんとAちゃんの家族みんなにかわいがられた、愛された思い出だけを持って、モルちゃんは虹の橋を渡っていったんだよ。それは、どんな高いお金を払っても買うことのできない、わたしたち人間が動物たちに贈ることのできる、世界で最高のプレゼントです。

モルちゃんがAちゃんのおうちにやってきてから、最後にAちゃんに抱っこされて目を閉じるまで、モルちゃんは一度も「他の動物さんに食べられてしまうかな」「怖い人間にいじめられたらどうしよう」「寒いなあ、暑いなあ、どこに隠れよう」と怖い思いをしたりすることはなかったと思います。ただ、AちゃんとAちゃんのご家族からもらった「大好き」の気持ちだけを感じて、安心してお目目を閉じてくれた。

もしかしたら病気で苦しかったかもしれないし、体が痛かったかもしれない。でも、自分を大切に思ってくれている人が近くにいること、自分を守ってくれていることは、モルちゃんはよくわかっていたと思うよ。AちゃんとAちゃんのご家族がモルちゃんにあげることができた、「安心して暮らせるおうち」、それはモルちゃんにとって何よりの宝物だったと思います。

そんな素敵なプレゼントをモルちゃんにあげることができたことを、どうか自慢に思ってください。そして、モルちゃんと過ごした1日1日が、Aちゃんにとっても大切な宝物になっていることを思い出してね。それは、モルちゃんがAちゃんに、安心して暮らせるおうちのお礼に渡してくれたプレゼントなんだよ。

Aちゃん。
こんなことを言うとAちゃんのおばあちゃんには怒られるかもしれないけど、私はAちゃんが悲しかったらまだ泣いていてもいいと思います。

捨てられていた猫ちゃんやワンちゃんを何匹も、何十匹も引き取ってお世話をしてきたおばちゃんが、「ピーチ」が虹の橋を渡っていってしまったときにこう言ってくれました。「動物を虹の橋の向こうに見送るのは、慣れるものじゃないのよ。何匹見送っても悲しいし、たくさん見送ったから悲しくならないなんてことはないの。全く同じ子なんて一匹もいないんだから、それでいいのよ。お別れが悲しいのは当たり前なんだから。」

悲しかったらちゃんと涙を流してあげるのも、大切なことだと私は思います。悲しいのは、Aちゃんがモルちゃんを大切に思っていたからだよね。

でも、さっきも書いたけど、Aちゃんは「モルちゃんがおうちに来てから息を引き取るまでずっと大切にする」という、素晴らしい人生(モル生?)をモルちゃんにプレゼントすることができました。そのことは、ずっと誇りに思っていてね。

そしていつか、Aちゃんを必要とする動物さん(ワンちゃんかもしれないし、猫ちゃんかもしれないし、モルモットかもしれない)と出会ったら、できる範囲で手を差し伸べてあげてね。

出会うすべての動物さんを助けてあげることはできないかもしれない。でも、もしAちゃんの助けを必要としている動物さんに出会うことがあったら、そのときのAちゃんができることを、できるだけ、してみてあげてね。

それは、おうちをなくした動物さんに新しいおうちをプレゼントすることかもしれないし、新しいおうちを探す動物さんのために、パソコンを使ってポスターを作ってあげることかもしれない。「ペットショップにいくまえに 」のような読みものをお友達に紹介することかもしれないし、動物さんたちを助けるために頑張っている人たちに募金をしたり、動物さんたちを助けるために必要なものを募集している人に品物を送ったり、整理を手伝ったり、動物さんたちがもっと安心して生きることのできる社会をつくるために、ブログや記事を書いたり、イラストを描いたりすることかもしれない。

人間は一人一人違うから、得意なことも一人一人違います。「Aちゃんにしかできないこと」はなかなかないかもしれないけど、「Aちゃんが他の人より得意なこと」はきっとあると思う。一人で全部やることはできないかもしれないけど、一つだけ・少しだけならできるかもしれない。

そうやって、Aちゃんと同じ時間・同じ場所に生きている動物たち、これからたくさん出会うだろう動物さんたちに手を差し伸べることが、虹の橋の向こうにいるモルちゃんが一番喜んでくれることじゃないかと思います。

Aちゃんのモルちゃんとピーチ、今頃は虹の橋の向こうで仲良く遊んでくれてることを祈ります。Aちゃんもお父さんとお母さん、おばあちゃんを大切にして、体に気を付けて勉強やスポーツを頑張ってください。ずっと応援しています。

2015年10月
モルモットハウスくにたち マネージャー

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