命の「大掃除」? 年末の動物殺処分と、写真展「お家に、帰ろう」について

ouchini_kaerou_gallery_paw_pad

©尾崎たまき 動物殺処分の問題に静かな、優しい、そして力強い眼差しを注がれる尾崎さんの写真展は、祖師ヶ谷大蔵の Gallery Paw Pad で1/16-31開催です。

 

すっかりご無沙汰してしまいました、「モルモットハウスくにたち」マネージャーです。
昨年末よりモルモット保護の案件が進行中 & 生業が超のつく多忙ぶりで、ブログの更新がすっかり滞ってしまいました。お詫び申し上げます。

そのかわり、来年頭から保護モルたち、大規模に里親さん募集を掛けさせていただきますので、どうぞお楽しみに! 可愛い写真もたくさんアップする予定です。

さて、クリスマスも終わり、そろそろ年末。急いで年賀状を書いていらっしゃる方も多いのではないでしょうか (わたし? 今年は代表に完全丸投げお任せし、一枚も書いてないです・・・代表、ごめんね)。

年末は大掃除の時期でもあります。近所の100均でのお掃除グッズの驚くほどの売れ行きを見ても、各家庭での熱心なお掃除ぶりが伝わってきます。

そしてお掃除といえば、不用品の処理。着られなくなった服、修理できない家電など、掃除をしているとどうしても出てきてしまいますよね。私も数日前までは、「あのコートとジーンズはもう古いから処分して、新しい衣装ケースを買って…」と、年末までのお掃除計画を立てていました。

でも、今年からは、もう同じように「大掃除」という言葉を聞くことができなくなってしまいそうです。

年末の大掃除で処分するモノの対象に、ペットまで含めている人がいることを知ってしまったから。

他県の友人から、いつもより少し遅れて連絡がありました。

「ゴメンねー、今犬猫引き出しラッシュでさあ」と友人(彼女は他県の動物愛護センターで、保護犬・保護猫ボランティアをしています)。

「大変だね、ホントお疲れ様! 年末はやっぱり遺棄される子が増えちゃうの? 本当にひどい話だよね」 とわたし。

「遺棄っていうかね・・・」友人の声が少し、途切れました。

「大掃除の時期に増えるの、保健所持ち込み」

・・・え?

「それって・・・ごめん、それって、ペットも大掃除のときに一緒に処分するってことなの?」

「そう。あとは帰省するから連れて行けないとか、旅行に行くから処分したいとか」友人の声が震えているのが、電話越しでもはっきりわかりました。

2013年の動物愛護法改正で、飼い主に対する動物の終生飼養が義務付けられ、保健所や愛護センターでは、身勝手な理由で持ち込まれる動物の引き取りを拒否できるようになりました。しかし、引き取りの拒否後に遺棄される等の抜け道で収容され、殺処分となってしまう動物たちはいまだに数多くいるといいます。

「センターだって殺処分したいわけじゃないし、ボランティア全員で手分けしていつも直前まで引き出したり、里親さん探したり頑張るんだけど、大掃除の時期は手が付けられないくらい増える。全部はとてもじゃないけど助けられない・・・。」

棄てられる時点で、お世話全くされてなかったせいで、ものすごく状態が悪い子もいるし。人を全く信用しない子もいる。時間をかければなんとかなるかもしれない子もいる・・・でも、この時期は本当に多いの。全部助けるのは無理なの。」

だからね、助けられない・・・殺処分される子には、最終日に美味しいご飯をたくさん持って行くの。罪滅ぼしにもならないんだけどさ・・・」

その後、何と返事したのかは、昨日のことなのに覚えていません。

クリスマス商戦が終われば、次はお正月の福袋。賑やかに贈り物を交換し、「お買い得」なものを探し、飽きてしまえば捨てるだけ。

動物の命もそう。飽きてしまえば捨てるだけ。

何故そのようなことがまかり通ってしまうのでしょう。

もちろん、やむにやまれぬ事情で泣く泣くペットを手放す方もいらっしゃるでしょう。人生は予測がつかないもの。万全な準備をしたと思っていても、時には予想もしないことが起きて、ペットの飼育を続けることが困難になるときもあるでしょう。

「旅行に行きたいから」は、予測がつかない困難な状況ではないと思いますが、いかがでしょう。

こんなに簡単に命が買えてしまう、服やアクセサリーと同じように買えてしまう状況は、やはりおかしいのではないか。一度は名前をもらい、人と暮らした動物たちが「旅行」「帰省」「飽きた」などの理由で命を奪われていいのか。

命を奪う理由は「大掃除だから」。

 

チモシー牧草やペレットを頬張る保護っ子たち、そしてのんびりと昼寝する先住モルモットたちを眺めながら、もう何も考えることができずにいます。

ただ頭に浮かぶのは、「こんなことがまかりとおる世の中は間違っている」ということ、そして、何も悪いことなどしていないのに命を奪われる動物たちへの、言葉にできない申し訳なさ、そして友人と、センターの方々の悲しみだけです。

******
モルモット飼いさんには、もしかしたらあまり縁がないかもしれない「動物殺処分」の問題。でも、同じ空の下、同じ社会の中で動物と暮らす人間として、無関心でいてはいけないのではないか。

実際の処分対象になるのは犬猫が圧倒的ではあっても、命がこんなに安易に消されてしまうという事実があることが、飼育放棄や虐待、実験の問題など、小動物のいのちの問題にもつながっているのではないか・・・。そう思えてなりません。

当団体がいつもお世話になっている世田谷・祖師ヶ谷大蔵のギャラリーパウパッドさんで開催される写真展、「お家に、帰ろう~殺処分ゼロへの想い~」は、その「犬猫殺処分」の問題に正面から向き合ったものです。

思わず目を背けたくなるような悲しい写真、悲惨な現実の中に、それでも全身で動物たちと向き合う愛護センターの職員さんや、ボランティアさんたちの姿もしっかりと捉えられています。ヒトという種類の動物として、今何をすべきなのかを問いかけてくれるインスタレーションです。是非足をお運びください。

 

 

広告