ペットをクリスマスプレゼントに? ちょっと待って!: 年末年始のペットお迎えの前に考えておきたい 3 つのポイント(と、その解決方法)

pexels-photo-190931もうすぐクリスマス。ご家族に購入するクリスマスプレゼントは何にしよう? と、あれこれ悩まれている方もも多いのではないでしょうか。

特に動物好きの小さなお子様から、「犬が飼いたい!」「モルモットがほしい!」とリクエストを受けておられるご両親もいらっしゃるかもしれませんね。

もしくは、「ペットに癒されたい」と、「頑張った自分へのご褒美」に、ペットをお迎えされることを考えていらっしゃる方もおられるかもしれません。

しかし、実は年末年始のお迎え・飼育開始には、普通の時期に考えなくてはならない問題 (ウサギについてはこちら) に加え、ペットにとっても人間にとっても危険な落とし穴がいくつかあります。

何の問題もなくペット飼育を開始し、長年にわたって楽しい生活ができるご家庭がたくさんある一方で、年末年始をお迎えしたペットの看病で過ごすことになってしまったり、楽しい生活の始まりのはずが、涙のお別れを経験することになってしまった、というお話もよくお伺いします。

そもそも、命あるものをプレゼントにするべきではない」という意見もある一方で、動物との出会いのきっかけが「クリスマスプレゼント」だったというご家庭が多いことを考えると、「お迎えしたとして、どのような問題が起きる可能性があるのか」と考えるきっかけをご提供することも大事なのではないか、と「モルモットハウスくにたち」代表・マネージャーは考えました。

そこで、今回の記事では、「クリスマスプレゼントとして=年末年始に動物をお迎えすること」について、モルモット保護ボランティアとして・一飼い主として経験したことから、考えたことをまとめてみました。モルモット中心に書いてありますが、ウサギや犬猫などにも応用可能かと思います。

末尾には、「それでもプレゼントに動物を飼いたい場合」対策についてもまとめてあります。「動物と暮らしたい」と考えてくださる皆様のご参考になれば幸いです。

問題点 1: 家にいる時間が長いため、気になって必要以上に構いすぎる
dalia_beforeこれは、小さなお子様に「プレゼント」としてモルモットを購入された際にやってしまいがちなことなのですが、大人でも状況は変わりません。

ウサギやモルモットのような草食動物はとっても怖がりです。そして、環境の変化が苦手です。

このため、ペットショップ・専門店などから購入し、ご自宅に連れて帰る「お迎え」から数日後~1週間に、体調を崩す場合が非常に多くあります。

ですので、連れ帰ってしばらくは、抱っこしたりお部屋に放したりなどはしばらく控え、一週間程度はケージの中などの落ち着ける場所に入れっぱなしにし、「ここは安全な場所なんだよ」と教えてあげること、ご自宅の音や匂いなどに慣れさせてあげることが大切です。

しかし、待ちに待ったペットの可愛らしい姿に大興奮してしまうお子様は多いもの。特にまだ小さなお子様の場合は特に「触りたい」「一緒に遊びたい」という気持ちを抑えることが難しく、ご両親や保護者の方から止められていてもついつい見に行ったり、ケージから出そうとしたりしてしまいがちです。

特に冬休み期間中で、普段は学校や幼稚園・保育園にいるお子様が長時間ご自宅にいる場合、新しく来たペットが気になってついつい構い過ぎ、気が付いたら動物はぐったり…などということもあります。

tsuku_beforeそれに、お子様ご自身がしっかり我慢できていても、例えば年末年始に遊びに来る親戚やお友達に「新しいペットを飼った」と言ってしまえば、「見せて!」「かわいい!」「抱っこしたい!」と大騒ぎになりがちなものではないでしょうか?

たくさんの人が出入りする環境で、じっと見られたり不用意に手を出されたりすることは、環境の変化を嫌うモルモットにはかなりの負担になります。

特にモルモットは「ふれあい動物」のイメージが強いため、気軽に抱っこしたりいじり回したりできると勘違いした人たちが乱暴に扱い、その結果落とされて骨折したり、ストレスから体調を崩してしまったり…という悲しい結果につながることもあります。

これは、力のコントロールがまだ難しいお子様の場合は特に当てはまります。

問題点 2: 飼い主さんもモルモットとの生活に慣れておらず、危険サインを見逃しがち
eペットショップで販売されているような幼い動物でも、個体にとってはとても人懐こい子もいます (ただ単に「人間がどんなに大きい存在か」がよくわかっていないので怖がらないだけ、ということもあるようですが…)。

そのような子であれば、飼い主さんもついつい気が緩み、「慎重に扱えって言われたけど、この子は大丈夫かも!」と油断し、抱っこしたりお部屋に出してあげてしまうかもしれません。

喜んで大はしゃぎしている姿を見て、「この子は元気だし大丈夫!」とすっかり安心してしまうのではないでしょうか。

しかし、そのような油断は、文字通りの命取りになることがあります。幼い動物の場合は、自分の体力の限界を超えて興奮してしまい、その後一気に体調を崩すことがあるからです (人間の子どもでも、遠足や学芸会などの後に突然熱を出すことがありますよね)。

ただでさえ小動物がストレスを感じがちな「環境の変化」に「興奮」と「疲れ」が重なり、一気に体調を崩してしまうのは、悲しいことですがよくある話です。

ずっとモルモットと暮らしている飼い主さんでさえ、「お引越しの後に体調を崩した」「帰省に連れていき、帰宅直後に病気になった」など、ひやっとするような出来事を体験している人は多いと思います。このため、抱っこしたりしなくても、「排泄物の確認」「食べている量の確認」などはしっかりと行ってあげる必要があります。

しかし、一緒に暮らし始めたばかりで、何が「普通の状態」で何が「注意すべき状態」なのかを飼い主側が理解できていない時期に、体調不良などの危険サインの見極めをするのは非常に難しいのが現実です。

しかも年末年始は、クリスマスプレゼントを開けたりツリーを飾ったり片付けたり、それが終われば大掃除、大晦日、それが終われば初詣などお正月のいろいろな行事、人によっては帰省など、ただでさえ慌ただしい時期です。

dana_01危険な状態になっているのに気づいてあげられないかもしれません。逆に、何でもないことで過剰に心配し、あれこれといじり回して却って悪化させてしまう可能性もあります。

お世話に慣れてくれば何でもなくできるようなことでも、お迎えしたばかりでは分からないことがたくさんあることでしょう。

ましてや、命にかかわる体調不良かもしれない事態が起これば、どうしたらいいか分からなくなってしまうかもしれません。

ペットをお迎えするのは想像以上に神経を使うものです。ただでさえ落ち着かない時期の年末年始にお迎えという一大イベントを入れてしまっては、人にとっても動物にとっても嬉しいはずの新生活が、ただ単にストレスのかかるものに終わってしまう可能性があります。

問題点 3: たとえ体調不良に気づいても、動物病院が開いていない
h_01たとえ注意深い観察で体調不良に気づけたとしても、下痢や食滞 (消化管内容物が停滞する病気) などが起こってしまえば、「モルモットを診察できる」病院ですぐに処置してもらえなければ、命にかかわります。

しかし、年末からお正月三が日までは、多くの病院が年末年始のため休診となります。

例えば12月24日にお迎えしたとして、1週間で決定的に体調を崩したとすると、その時点で12月30日。

病院によっては既に休診に入っているところもありますし、この時点で診療時間が短縮されていることもあります。

また、運よく早期に治療開始できたとしても、病気によっては継続して通院する必要があるため、強制的に入院となったり、できる治療も限られてしまうこともあるかもしれません。

年末年始であっても緊急応対を受け付けてくれる病院も一部ありますが、「カルテがある(一度診察を受けている)動物のみ」等の限定がある場合も多く、いきなり行っても診てもらえないことが多いようです。

例えば、我が家のモルモットたちは健康状態や開院時間に併せ、「第一かかりつけ」「第二かかりつけ」「専門院」の3つの病院でお世話になっていますが、緊急・夜間診療を受け付けているのはそのうち1軒のみ。それも、診てもらえるのはカルテがある動物のみです。(つまり、「同じ飼い主が飼育している同じ種類の動物」でも、その子が診察を受けていなければ治療してもらえないということです)

doctor-medical-medicine-health-42273また、モルモットは「エキゾチックアニマル」に該当するため、ほとんどの普通の動物病院では診てもらえません。

「エキゾチックアニマル診療可」と表記されていても、いざ到着してみると「うさぎとハムスターしかわかりません」「モルモットを診られる獣医師はお休みです」と言われることもあります。

「よくわからない、診られない」と言ってもらえるならまだいい方で、「診られます」と安請け合いされて誤診され、見当違いの治療で命を落とすことも、聞かない話ではありません。

ひどい病院になると乱雑に扱われ、診察台から落とされて骨折してしまったり、犬猫には大丈夫でもモルモットには使用できない薬剤を使用されて亡くなってしまったり、という信じられない事態になってしまうことさえあります。

通常であれば信頼できる病院をじっくりと選ぶことが何よりも大事なのですが、年末年始やお盆、ゴールデンウイークのようにほとんどの病院が閉院する時期には、そのような選択さえできないことが多いのが現実です。

また、非常に運よく夜間診療・休日診療で受け入れてもらえても、病院の数も多くはないため、車がない場合はタクシーで向かったりすることも必要になります。料金も休日料金は割高となります。

この点から考えても、上記のような条件に何らかの対策ができない限り、長期のお休み中やお休み直前のお迎えは避けたほうが無難といえそうです。

【「それでも、どうしてもペットをプレゼントにしたい! 」という方へ】
ここまで読んで、「そんなこと言われても、うちの子にクリスマスにモルモットを飼うって約束しちゃったし…」と青くなっていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。「条件が悪いのはわかったけど、それでもどうしても飼いたい」という方もいらっしゃることでしょう。

ならば、このような方法はいかがでしょう?

1) 保護団体・保護ボランティアに相談する
20161029_e私たちもモルモット保護の個人ボランティア集団ですが、犬猫は保健所・愛護センター等から譲渡してもらうこともできます。

また、ウサギなどの小動物を保護しているボランティアもいます。

個人・団体にもよりますが、(ある程度は飼い主さんがきちんと予習してくださることを前提とした上で)、飼育前の相談に乗ってくれるところも多いです。

特に、一番不安の大きい期間であるお迎え直後は、きちんと飼育できるかの見極め期間 (トライアル期間) に該当するため、飼育方法・危険サインなども気軽に相談できます。

「モルモットハウスくにたち」ボランティアたちも、お迎え前のご相談を特に重視しております。「どんなペットが飼いたいのか」「お迎えしてからの生活はどうなるか」にはじまり、給餌の方法なども丁寧にご説明します。

ご説明の結果、「モルモットではなく、別の動物が良いのでは?」という結論に達した場合は、ウサギや犬猫などの保護活動ボランティアさんをご紹介することもあります。

また、保護団体・ボランティアが保護している動物はある程度大きくなった子も多く、人との暮らしにも慣れている子が多いのがメリットです。病気などのチェックを獣医師に依頼している団体・個人も多いため、健康面も安心です。

保護モルモットのお迎えを検討されている方は、まずはこちらをご一読いただけますようお願いいたします。

2) ケージ・飼育本をプレゼントにし、お迎えは年明けにする
pexels-photo-51174クリスマスイブにお子様の枕元に置くのは、思い切って動物用のケージや、お子様向けの動物本飼育書や、「ペットと仲良く暮らすってどういうこと?」という本にするのはどうでしょう?

「モルモットハウスくにたち」から卒業したモルモットの中には、小学生以下の小さなお子様のいらっしゃるご家庭に譲渡された子もたくさんいます。

お届けの際に、「モルモットと触れ合うときに守ってもらいたいこと」と「その理由」や、「モルモット豆知識」のようなお話をさせていただくこともよくありますが、お子様の吸収力にはいつも驚かされます。

中には、お迎えが決まってから動物図鑑を一生懸命読み、モルモットについて仕入れた知識をたくさん聞かせてくださるお子様もいらっしゃいます。

「お届けの後で、『くにたちさんに聞いたんだけど、モルモットってこうなんだって、ああなんだって!』と、子どもがいろいろ話してくれました」と聞かせていただくこともあります。(ボランティアにとっては、とってもうれしい瞬間です)

どのご家庭でも、お迎えが決まってからケージ・飼育用品を揃え、用意を進めていらっしゃる間も、「どれがいいかな?」「何を買ったらモルちゃんが喜んでくれるのかな?」と、とても楽しく過ごされていたとお伺いしています。

pexels-photo-193035動物が本当に好きで、ずっとお世話をしたい、仲良く暮らしたいと思ってくださるお子様であれば、

「冬休みは動物病院もお休みだし、おうちのみんなも忙しいから、ちゃんとお世話ができないよね?

だから、おうちに来てもらうのは1月に入ってからにしよう。おうちに来てすぐ病気になっちゃったらかわいそうでしょう?」など、きちんとお話してあげれば、きっとわかってくれるはずです。

動物を飼うためには我慢も大切です。モルモットに限らず、ペットが病気になって通院したりすれば好きな場所に家族で行く約束も駄目になってしまうかもしれませんし、旅行にもなかなか行けなくなります。

それでもいい、と感じていただけないようであれば、ペットのお迎えはもしかしたら、まだちょっと早いかもしれませんね。

おわりに
pexels-photo-48672せっかくのペットとの新生活。お迎え時期のせいで短く、つらく、悲しいものに終わってしまっては、やりきれない思いをすることになってしまいますよね。

特に動物の好きなお子様にとって、夢にまで見た可愛いペットとの生活が突然のお別れで終わってしまっては、心に深い傷を与える結果になってしまうかもしれません。

「命のはかなさを学んでもらえたら…」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、人間側の知識・準備不足や不注意で命を失わせてしまうことと、長年大切にお世話をした動物を看取ったり、怪我をした動物を保護して必死に看病することとは全く違う経験なのではないか、と感じます。

ましてや、「動物病院が開いていず、亡くなっていくのをどうすることもできず見守るしかなかった」「お友達に強く言われて断り切れず、乱暴に抱っこされて骨折させられてしまった」など、人間側がお迎えのタイミング・対処方法などを変えていれば防げたかもしれない事態で健康を奪ってしまったり、命を落とさせてしまっては、後悔してもしきれないのではないでしょうか。

ペットと暮らす生活から学ぶことは、大人にも子どもにもたくさんあります。楽しい思い出もたくさんできます。でも、ペットは飼い主を選ぶことはできません。人間が用意してあげた環境がすべてなのです。

人にとっても動物にとっても楽しい生活の始まりとなるよう、迎える側としては、できるかぎり良い環境を整えてお迎えしてあげたいものですね。

 

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